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Wednesday, October 24, 2007

カチン州ミッチーナーへ



わがフィールド,ミャンマー連邦の最北部に位置するカチン州の州都ミッチーナーへの行き方を記してみます。

現地へのアクセス


現在,日本からこの国への直通便はないので,バンコク・台北・クアラルンプール・シンガポールあたりで乗り継ぎしなければなりません。単一航空会社を利用し,かつ日本を朝出発してその日のうちに入国するためには,バンコク経由のタイ国際航空(TG)便を使うしかありません。(行きにバンコクなりクアラルンプールなりで遊んで行きたいという人には,他にも選択肢はあります。)入国するのはほとんどの場合,旧首都ヤンゴン(許しがたいことに,もはや首都ではありません。ご存じでした?)からになります。



出発前の準備


ミャンマー入国のためには,在日本ミャンマー大使館(東京)・領事館(大阪)
で観光ビザを取得することが必要です。滞在日数は28日間まで,ビザの有効期限
は3ヶ月。ビザ発給料金は取得までの日数で異なり,通常(所要4日)の場合3000
円,翌日発給の場合4500円,即日発給の場合6000円です。



調査許可は,ことミッチーナーとその周辺で母語話者との対面調査をする限り,特に必要ありません。カチンが民族自立の運動や,それにつながるような熱狂的な民族キャンペーンを行なっていないことが,この場合は幸いしているのでしょう。「友人に会って彼の母語を習う」でみんな納得してくれました。昨年の調査でエーヤーワディー川をはさんでミッチーナーの東対岸にあるワインモー市に行った時は,どこからともなくイミグレの役人が現れて調書を取られたのですが(面白いことに3人がそれぞれ同一フォームに記載をしていました。カーボン紙を使えばいいだろうにと思ったのですが,ひょっとしたら一種の雇用対策なのかもしれません),今年行った時に知り合いに聞いてみると,ワインモー市にも,ミッチーナーの西側にあるモーガウン市にも
イミグレはいないとのことでした。


ちなみに,現地のカウンターパートを必要とする調査(例えば,フィールド言語学からははずれますが,文化省考古学局の許可を得て行なう碑文調査)は,カチン州に限らず現状ではかなり厄介だという印象を持っています。(関係省庁が政府の中でどの程度力を持っているかにもよるでしょうが。)首都移転の前後から,調査許可が以前のようにスムーズに出なくなるという傾向が見られ,2006年1月の碑文調査も,正式の許可なし(でも「過去数年の実績からみるに,やばいことはしないだろうからまあいいか」という感じで黙認はされた)で行いました。



乗り換え情報


ヤンゴンにその日のうちに到着するTG305便(バンコク18:00-ヤンゴン18:45,いずれも現地時間、ちなみにタイ~ミャンマー間の時差30分)に乗継ぎできる便には、次のようなものがあります。



成田発(TG641) 10:45-15:45


名古屋発(TG645) 10:30-15:15


関空発(TG623) 11:10-15:30



これらの便の到着地である,タイの首都バンコクのスワンナプーム新空港。昨年9月に開港されたばかりなのに,滑走路・誘導路に亀裂損傷が多数発見されたそうです。加えて、乗継ぎ間に歩く距離が旧ドンムアン空港の時より長く,途中には海外ブランドの免税品店がこれでもかと並び,タイ料理レストランがほとんどない一方で和食レストランがあったりするという,全くもって納得しがたい空港です。何か間違っています。単に日本人が足元見られてるだけか…。



スワンナプームへのぼやきを後に残しつつ,ヤンゴン空港へ。(旧)首都の国際空港とは信じがたいほどの控えめな設備を持った空港ですが,中心街へ30分というアクセスの良さは気に入っています。



脇目も振らずにミッチーナー,あるいはマンダレー等の地方都市に行かれる方は,空港から徒歩2分ほどで行けるSeasons of Yangon Hotelが便利です。(シャトルサービスもあります。歩いて行った方が早そうな気もするけど。)折角だからヤンゴンも観光しようという方は,移動や買物や食事に都合の良い中心街のホテルに泊るのがよいでしょう。チェックアウトが済んだ段階で現地時間19:30を過ぎているので,少なくとも第1泊目のホテルは日本から予約を入れておくべきです。ちなみに,ヤンゴン観光の目玉と言えば,なんといってもシュウェダゴン=パゴダ。宗教上の問題がないのなら,是非是非参拝をお勧めいたします。



空港から市内へ


ヤンゴン空港から市街地にアクセスするできるバスも列車もないので,知人が迎えに来てくれるというのでなければ,空港前でタクシーを拾うか,あるいは日本から旅行会社を通じて予約を入れておくかになります。宿泊の確保と同様な理由で,後者の方が安全です。価格の相場は,タクシーだと5-6US$ぐらい,旅行会社を通じての予約だと小型車18US$,中型車22US$ぐらいです。中型車のタクシーというのはたぶんないと思うので,もし3人以上・重装備で行くのであれば、予約しておくのが無難でしょう。



両替


現地通貨チャットKyatへの両替レートは大体3段階。2007年7月現在で,実勢レート(=闇レートの相場)1$=大体1280Kyat, 公認市場レート1$=450K, 公定レート1$=6.3589K(政府高官がチャットをドルに両替するためのレートなんじゃないか,という説あり)となっています。空港の両替は公認市場レートで行われるので割に合いません。市街地の両替店の方が良いレートでの両替ができますが,店によって微妙にレートが違うようです。Seasons of Yangonに宿泊した場合には両替屋は使えないので,地方に行ってから両替ということになりますが,ヤンゴンよりはレートが悪くなります。それから,面白いことに紙幣の額面によって実勢レートは変動します。100$紙幣が最もレートが良く,額が下がるに従ってレートが悪くなって行きます。



国内の移動


ヤンゴン~ミッチーナー便のある航空会社は,旧国営のMyanmar Airways(UB)と、民間のAir Baganの2社があります。悪いことは言わないのでAir Baganにしておきましょう。週4便あります。下記は2007年9月30日までのスケジュールです。



ヤンゴン発マンダレー経由ミッチーナー行き

火・金 W9 251 07:00-09:50


木・日 W9 255 07:00-09:50



ミッチーナー発マンダレー経由ヤンゴン行き


火・金 W9 252 12:10-15:00


木・日 W9 256 10:10-13:00



飛行機以外には,列車という選択肢があるにはあります。ヤンゴン~マンダレー間が公称15時間,マンダレー~ミッチーナー間が公称24時間半かかることになっています。ただ,実際にはもっと時間がかかりますし,よく故障したり脱線したりするという話も聞くので,お勧めしません。乗る場合にはUB機同様,それ相応の覚悟がいると思います。



ミッチーナー空港に着いたら,表でタクシーか自動三輪と交渉して,市内のホテルに向かいます。今年の1月行った時は,自動三輪が2000-2500K、タクシーで8000Kぐらいだったかな。20分もあれば市街地に着くはずです。



余談ですが,空港~市街地の間の道路は,10年前では考えられないぐらい良くなりました。ホテルのマネージャーに「政府が舗装したのか?」と聞いたところ「いやKIA(もと反政府組織で、1994年政府と停戦した)がやってくれたんだ。」「KIAが?そういうことは普通政府がやるもんじゃないのか?じゃあ政府は何をやってんだ?」するとマネージャーは笑いながら、手で銃を打つ真似をしました。果たして一緒に笑っていいものだろうかと首を傾げたのですが、ヤンゴンに戻って来て友人たちにこの話を聞かせると一様に大笑いしていたので,笑っても構わないのでしょう,たぶん。



宿泊情報


宿泊に関しては,5-6箇所候補があります。外国人バックパッカーに定評があるYMCA(シングル1泊10US$)と,その斜向かいにあるPan Tsun Hotel(25US$)は、市街地から少し離れてはいるものの,比較的便利です。市街地の方がよいという方には、Xing Xian Hotel(20US$)があります。(市街地といってもミッチーナーのことですから,夜はとても静かで暗いのですが。)イラワジ川沿いにある,西洋人受けしそうなバンガロー形式のSumpra Hotel(50$)は,市街地からやや外れているため,歩いてあちこち回るのには不便です,レンタカーかレンタサイクルを使うことになります。ただ,毎年1月10日のカチン州記念日にカチン最大の祭りマナウが催される祭場に近いので,マナウ見物には好適です。



持っていくと便利なもの


現地に持って行った方がいいものとしては,まず何より大光量の懐中電灯。ミャンマーの電力事情は相当に悪く,ヤンゴンでさえ,一般の家屋では1日24時間フルに電気が供給されるということはありません。ヤンゴンの高級ホテルなら常時ジェネレーターを回していて電気には不自由しませんが,辺境のミッチーナーともなると,ホテルでも昼間と深夜(0時過ぎ)は電気が来ません。(ひょっとしたら最高級のSumpra Hotelだけはそうでないのかもしれませんが,確認していません。)屋外照明も明るくなく、日没後はすぐにあたりが暗くなります。万が一に備えて明るい懐中電灯は必須です。私は,通常の懐中電灯とランタンの2ウェイ使用が可能な白色発光ダイオードのものを使っています。



蚊除け対策


冬季(11-2月)にしか現地に行かない軟弱者の私が言うのも何ですが、雨季のカチン州はマラリアに感染するおそれがあるのでお勧めしません。冬季のミッチーナー市街地はそんなに蚊がいるという印象を受けませんが,草むらや水辺には当然蚊がいます。スプレーと,ファンを回して薬剤を散布するタイプのものを併用するとよいかと思います。特に後者は,数年前は相当珍しかったらしく,国内行く先々で「それはなんだ?扇風機か?」と聞かれ、コミュニケーションのきっかけとして有効な役割を果たした記憶があります。今はどうだろう。



澤田英夫 (東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)



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