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Monday, July 16, 2007

地形にまつわる伝承というのは、けっこうどこにでもあると思います。

今日のお話は、わたしが以前調査に行っていたカムチャッカ東海岸の村で聞いたもので、村の沖にある島が西海岸から東海岸に移動してきた理由を説明しています。

海鳥が島にぎっしり巣をかけている様子をシラミがたかっているとみたてているのが、日本人にはちょっと思いつかない感覚で不思議です。

おはなしの中にでてくる裁縫用の板というのは、羽子板のような形で、大きなものは1m以上、小さなものは40cmくらいで、毛皮をナイフで切ったり、たたいて伸ばしたりするときに使うものです。

イリプルという半島は細長い砂洲の先にぶらさがるようについていて、この裁縫用の板に似ています。

板の写真も地図もあるのですが、今は探すのが面倒なので、そのうち見つけたら写真を貼ります。

◇◇◇ 婆島がここにあるわけ ◇◇◇

あるとき仲間たちが婆島にこういった。

「うわー、あんたシラミだらけだね。あっちへいってよ」

それを聞いた婆島はすっかり腹をたててこういった。

「もうこんなところにはいられない。シラミだらけだっていつも悪口をいわれるんだもの」

それはね、婆島にはいろんな鳥がたくさんいるから。ウミウとかいろんな鳥が婆島に巣をかけて、あそこで卵を産んでいるの。

だから婆島はみんなに「あんたシラミだらけだね。もっとあっちへ行ってよ」っていわれたの。

それで婆島はすっかり怒ってしまってね、こういったんだよ。

「ああ、もうこんなとこにはいたくない。みんながわたしをいじめるんだもの」

それで婆島はアナプカ川を作ったの。婆島が通ってきた道が、あのアナプカ川になったんだよ。(カムチャッカ半島の西海岸から) わたしたちが住んでいるこっちのほう (=東海岸) に移住してきたの。

それでこのイリプル (※ 半島の名) っていうのが婆島が使っていた裁縫用の板なんだよ。わたしたちは裁縫板の取っ手のところに今住んでいるの。手でつかむところね。ここが婆島の裁縫板の取っ手にあたるんだよ。

今でも婆島には鳥がすごーくたくさんいるよ。だからみんなにシラミだらけだっていじめられたの。シラミだらけだからあっちへ行けっていわれてね、それで怒ってこっちまで移住してきたんだよ。

(200*年 マリヤ・チェチュリナ氏より採録 永山ゆかり)

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