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Tuesday, June 26, 2007

今回は小ネタです。 昔はアリュートルの人たちと近隣に住むコリヤークやチュクチの人たちとの戦いが、かなり頻繁にあったようです。その当時の様子を伝える話を紹介します。

この話に出てくる「敵」というのはおそらくチュクチのことだろうと思われます。

◇◇◇ シギの信号 ◇◇◇

昔むかしのこと。女たちがヤナギランだとか食べられる野草の根だとかをとりに、 泊りがけで出かけていった。それはもう大勢で出かけていった。

野草の根を掘る道具 (2002年イリプイルスキー)

やがて夜になったので泊まることにした。

ところが女たちが泊まったあたりには敵がいた。

女たちがテントで休もうとしていると、突然シギが女たちの上をぐるぐる飛びまわったり、激しく鳴いたりしはじめた。

これは敵がいることを伝えるシギの信号なのだ。

シギが鳴きはじめたのを聞きつけると、ひとりの年のいった女がこういった。

「シギがひどく鳴いているよ。すぐにどこかへ逃げなければ」

すると別の女がいった。

「でもすぐに敵に見つかっちゃうんじゃないの」

はじめの女はいった。

「野草の根を掘るのに使う棒は、月の光を反射して光るでしょ」

女たちがいた場所は大きな湖のそばだった。

女たちは野草の根を掘る棒をトナカイの角のようにして頭に結びつけ、いっせいに逃げだした。

ツンドラの湖と川 (2002年イリプイルスキー)

それを遠くから見た敵は野生のトナカイの群だと思った。

でも本当はそれは女がたちが逃げていくところだったのだ。

敵が女たちのいた場所にきてみるとテントは空っぽで、みんな逃げてしまった後だった。

おしまい。

チュウシャクシギ (2002年イリプイルスキー)
(2000年9月16日 タチヤナ・ゴリコワ氏より採録 永山ゆかり)

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