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Friday, April 06, 2007

神話というとたいていは昔々の話なので、ここ100年くらいのあいだにほかの民族から伝わったものは登場するわけないだろうと思いがちなのですが、アリュートルの神さまはトランプで遊びます。

語り手のマリヤ・チェチュリナ(1930年代生まれ)さんは、お母さんからこの話を聞いたそうです。おそらくロシア語はほとんど話せなかっただろうアリュートルのお年寄りでも、トランプは大好きだったのかなあと想像するとちょっと楽しくなります。

◇◇◇ 神さまのトランプ ◇◇◇

むかしむかし、まだ大地ができていなかったころのこと、天の神さまと鬼神(おにがみ)さまが2人で座ってトランプをしていた。神さまたちは夜も昼も、ただひたすらトランプをしていた。

天の神さまはまばたきをしない。神さまがまばたきをすると、人間はみんな死んでしまうからね。こうして天の神さまと鬼神さまはずうっとトランプをしているんだよ。

天の神さまが鬼神さまに勝ったときは、魚がすごくたくさんとれる。これは鬼神さまがトランプの負けを払っているからなんだよ。

いま人間は夏になると魚をとるでしょう。大漁の年には海が魚でぶくぶく泡立っているみたいに見えるでしょう。野いちごがたくさんとれるのも、魚がたくさんとれるのも、これはみんな鬼神さまが負けた分を払っているんだよ。

反対に、天の神さまが負けたときには戦争がはじまる。人間がたがいに殺し合いをはじめて、大勢の人が死ぬ。これは天の神さまが鬼神さまに負けた分を払っているからなんだよ。

(2004年8月19日、マリヤ・チェチュリナ氏より採録 永山ゆかり)

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